肥えた家畜

 

果たして今日という日を必死に生きている人は

この広い世界中に何人いるだろうか。

 

僕は今日もこんな不毛な話題に頭を捻る。

 

でも実際にこれが不毛であるなんてことは

微塵も思っていない。

むしろこの厨二病男の方が

生を実感できているのかもしれない。

 

自粛が世の中のテーマで

無闇に外出しようものなら

異端と判断されたあの日から

人々の危機感に対する意識は

向上したと言えるだろう。

 

が、解放の大号令と共に

それは失われた、ないし薄れたのは確かな事実だ。

 

かくいう僕はというと

彼らとは真逆の

効果を与えられた。

 

怠惰だ。

 

家に一人でいる時間は、

退屈であり、それでも

何もしなくたって生きていける。

 

自分は恵まれていたのだと悟った。

 

これを気付くまでに

たくさんに時間を要し、無駄にした。

 

1ヶ月間この部屋の扉を開けなかったから

自分を見つめるという行為に時間がなかった。

 

先週僕にとって人生単位でも

割と大きな出来事があった。

それを知った時、そこまでの

衝撃はなかったが、

心身は正直だった。

 

人生で初めて

頭痛と腹痛と吐き気が同時にきた。

 

僕ってこんなに必死に生きてましたっけ?

 

それから僕は3日間動くことができなかった。

何もせずに部屋に閉じこもり、

怠惰の限りを尽くした。

 

こんな自分よりも

1日を必死に汗水枯して生きている

人間がどれくらいいるだろうか。

 

他人はともかく

今はそんな自分を咎めたい。

 

前を向く姿勢。

それが今の自分には足りない。

何か目標が、

自分の行動の潤滑油となる何かがあれば。

 

 

 

暫く考えて閃いた考えは

 

”田村保乃を愛する”

 

ということだ。

 

彼女のことを考え、追い求めれば、

この深い濃霧は晴れ、

確かな道標となるだろう。